慢性腎臓病について
慢性腎臓病(CKD)Q&A

慢性腎臓病(CKD)Q&A

CKDとは、慢性的に経過する腎臓の病気のことをいいます。腎臓病は、もともと地味な病気で、一般の方には理解しにくい病気、とっつきにくい病気ではなかったでしょうか?ところが最近、慢性腎臓病がしばしばメディアにも取り上げられるようになっています。慢性腎臓病は、Chronic(慢性)Kidney(腎臓)Disease(病)を略して、CKDと呼ばれています。

腎臓は腰の高さで背中に張り付くように、左右1つずつ存在します。 腎臓の働きは5つあります。
主な働き
①老廃物を体から追い出す  ②血圧を調節する
③血液をつくる司令官  ④体液量、イオンバランスを調節する 
⑤強い骨をつくる

尿検査で蛋白尿の程度をみることと、血液検査の血清クレアチニン値から推算糸球体濾過量(eGFR)を算出し、腎機能を評価することが必要です。

CKDには、高齢者、高血圧症や糖尿病、肥満、脂質異常などCKD発症の危険因子をもつ人と一般的に言われています。

多くのCKD患者は初期には症状がありません。易疲労感、倦怠感、食欲不振、嘔気、浮腫などの症状は病気がかなり進行してから出てきます。人工透析への移行を防ぐためにも、定期的に尿や血液の検査をする必要があります。特に尿検査が重要で、尿に異常があれば専門医に相談することを勧めます。

悪くなってしまった腎臓を回復させるのは困難ですが、生活習慣の改善と薬物治療などを継続することで、病気の進行を抑えることが出来ます。そのためには早期発見、早期治療が重要です。

自覚症状を伴わないのが普通です。尿蛋白陽性と言われている方は、まず血清クレアチニン値を測定し、推算GFRを評価する必要があります。尿蛋白2+以上では、腎臓専門医の診断を受けるとよいでしょう。

蛋白尿を伴わなければ心配はありません。念のため、血清クレアチニン値を測定することを勧めます。ただし、悪性腫瘍や泌尿生殖器の炎症を否定しておく必要があります。

CKDになったからといって食べられないものはありませんし、逆にこれをたべたらよいというものもありません。塩分制限や蛋白質の制限はCKD対策として食事療法の基本ですが、ただ制限するだけでなく、適正なエネルギーや栄養バランスを確保することが重要です。塩分、蛋白質制限しようと「食事を制限」してしまい、エネルギー摂取量が不足してしまう症例が多くみられます。年齢、体格、身体活動度に合わせ、適切なエネルギーをとることも必要です。

以前は「腎臓病の人は安静に」と言われてきましたが、現在は安静より適切な運動の継続が重要といわれています。自分にあった運動を継続することをお勧めします。一般に、運動時には筋肉への血液量が増加して、腎臓への血液量が低下します。また、運動時には血圧が上昇し、尿蛋白も増加します。しかし、これらの多くは一過性の現象と考えられています。したがって、運動量は腎機能や尿蛋白の推移を見ながら、個々の患者で決めていくのが現実的な方法といえます。

肥満は腎臓にさまざまな負担をかけて腎臓を悪くします。そのために、腎臓からの塩分の排泄が障害されて血圧が高くなります。また、レニン-アンジオテンシン系と呼ばれる組織傷害を引き起こすホルモンが高くなり、腎障害が進行します。

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