「透析」と「フットケア」
「透析」と「フットケア」、全く無関係と思われるこの二つのワードですが、実は透析患者さんや糖尿病患者さんとフットケアは、極めて重要な関わりがあるのをご存じですか?
なぜ?・・・透析患者さんは動脈が硬くなったり(動脈硬化)、血管にカルシウムがくっついたり(動脈石灰化)することによって足の血流が悪くなりやすいのです。「末梢動脈疾患」という名前で、動脈硬化によって太ももや膝下などの動脈が細くなったり、つまったりして足先に血液がいかなくなる病気です。最近では足梗塞という言葉がでてきました。その足に傷や、皮膚トラブルが起きると深い傷(潰瘍)になることがあります。免疫力が低い糖尿病や透析患者さんは感染を起こしやすく、その結果下肢切断につながる可能性が高いのです。
また足や足の爪には体重を支える役割があり、足や足の爪に異常があると下肢機能の低下をきたして転倒のリスクも高くなります。
当院では、患者さんの足を守り、ご自分の足でいつまでも元気に通院していただくために2008年よりフットケアを始め、2009年にフットケアチームを立ち上げました。「きず」をつくらない、小さな「きず」や「変化」を見逃さないよう、看て、触れて、感じての観察を実践しています。足のトラブルを早期発見するために、毎月下肢末梢動脈チェック・足の観察をしています。異常が発見された際には医師に報告し、適切な治療とケアを提供するため専門病院と連携しております。普段、靴や靴下で隠れている足を他人に見せる事には抵抗があると思いますが10年以上の継続により、患者さんの多くはフットケアへの意識・関心が高く、靴下の中は保清・保湿がしっかりできています。
2019年に看護師5名(フットケア指導士2名含む)、看護助手4名の新生フットケアチームとなり日々活動しております。
チームの活動内容
・糖尿病重症化予防フットケア
・下肢末梢動脈チェック(毎月、各患者受け持ち看護師が担当)
・SPP測定(皮膚組織灌流圧検査)→微小な皮膚血流の測定
・巻き爪処置、胼胝処置、爪切り、やすりかけ
・痛みのある巻き爪の方にはコットン充填処置にて痛みの緩和
・ご自分では十分に保清が出来ない方や足の血流が悪い方には足浴やシャボンラッピング→動画をご覧ください
・お誕生日月にはフットマッサージをプレゼント
・靴の観察、靴の履き方、選び方アドバイス
・義肢装具士、整形靴屋との連携
・連携病院専門医、他施設フットケア指導士との連携
・学会や勉強会、各種セミナーへ積極的に参加して日々切磋琢磨しております
※花田フットケアラボのコラムに当院が紹介されています。こちら