NPO岐腎協飛騨ブロック主催 講演会

透析患者と運動              高桑 薫 先生

       高桑院長平成24年5月27日午後1時より、高山市福祉センターにて高桑院長の講演会がNPO岐腎協飛騨ブロックの主催で行われました。当日は穏やかな陽気の日曜日の午後にも関わらず、北は飛騨市神岡町、南は下呂市金山町までの広い地域から大勢の患者さんが来場されました。講演テーマは「透析患者と運動」。要約すると透析患者さんは、日頃から運動不足である。運動して心肺機能を高めることで透析中の血圧降下などのえらさ(しんどさ)が軽減される。また透析患者さんは常に副甲状腺が刺激されており、骨からカルシウムが溶出してもろくなりやすい。特に長期透析患者では骨量が減少傾向になる。従って運動で筋肉量を付け、骨折予防の上でも骨をしっかりガードする必要があるというものでした。しかし運動不足の原因はこれ以外にもある。それは必要以上の食事制限からくる栄養不足であった。「食べる事=生活文化の源」であり、「食べない=動けない」が運動不足を助長している。また透析をしているから大変だとの理由で周り(家族等)が過保護になり、非透析日は一日中横になっている人もいる。しっかり食べてエネルギーを蓄えてしっかりと運動をする。そしてしっかり長時間(5時間以上)の透析をする。これが合併症予防の観点から見た理想の生活サイクルであるとの事でした。高桑内科クリニックでは患者さんにあえて1日30品目の素材を使ったメニューを摂取しなさいと、そして散歩からでもいいから1週間に2回は少し汗ばむ位の運動をしなさいと指導されています。もちろん患者さんの大半は5時間以上の透析をやっているのが現状です。またそのバランスは検査データからもわかり、運動と食事のバランスはCr、BUN比で1:5が理想で、無尿の患者の場合のCr値は13以上を目指せとの事でした。そして5時間透析をすれば透析効率(KT/V)も良くなり、腎性貧血もエリスロポエチン製剤などに頼らなくても改善される。ESA投与量事実透析歴分布高桑内科クリニックでは高透析歴患者が全国平均に比べ断然多いにも関わらず、ESA未使用率は全国平均に比べ2倍以上高いデータが提示されました。
講演後の質疑応答では、日頃の疑問を持たれた患者さん方から多くの質問が出ました。中には即席の診察まで行われる次第で、とても有意義な講演会でした。



座長を務められたの飛騨ブロック長の橋詰さん   岐腎協飛騨ブロック役員のみなさんと記念撮影

ご参加の患者さんに講演会の感想をいただきました。

先生のお話は3回目です。今回は今までのお話以上に大変興味深く聴かせていただきました。今までは運動不足気味でしたので、これからは時間を決めて気長にボチボチ運動していきたいです。
                        古川病院 K・Yさん

質問させてもらい、不安だった事が1歩踏み出せた感じがしました。講演では透析患者にとって食事と運動の重要性について大変参考になりました。
                        下呂市立金山病院 N・Yさん

先生のお話で、食事はいろいろと種類を摂ることが大切なことがわかりました。また大勢の患者さんのお話が聞けて大変勉強になりました。
                        下呂市立金山病院 M・Kさん

先生のお話は今の私にとってたいへんよくわかりました。運動の重要性、その中でも特に赤い筋肉を鍛えよ、それは心筋も鍛えられ、透析中のしんどさが軽減されるとの事。運動量は検査データのクレアチニンの値で確認でき、尿量の全く無い人の場合、最低でも13は目指しましょうと言われました。僕は13位なのでまあまあかなと思いました。
                        久美愛厚生病院 I・Hさん

たばこをやめれば肥満も治る。よく眠る。朝食はしっかり摂る。間食はしない。
今日からしっかり守ります。ありがとうございました。
                        古川病院 N・Kさん

先生のお話を聴いて、自分は改めて運動不足であることを痛感しました。これからは少しずつ運動しなければダメだと思いました。また、食事については1日30品種の素材を摂れるようにしたいと思います。
                        高山赤十字病院 K・Eさん

お話を聴き、運動することが必要であることがよくわかりました。特に食事もしっかり摂って、そしてよく運動して、しっかり透析(長時間)をすることが大切なこと。これからは食事の品目もできるだけたくさん摂るようにします。たいへん良いお話をありがとうございました。
                        高山赤十字病院 K・Tさん

私は昨年10月頃から、先生より奨められて5時間透析を始めました。それ以来、食事量が増加して身体も楽になりました。散歩(犬の)も朝夕楽になりました。まず5時間透析をすることが第1歩だと思います。先生に感謝です。
                        高桑内科クリニック A・Sさん

今日の講演を聴いて、日頃病院で言われている事を再度確認しました。そして、ライフスタイルの見直しをしたいと考えました。先生がおっしゃるには特別に無理なことや極端なことはしなくても良いという事なのですが、それでも実行できていない面もあるので、実行できるようにしたいと思います。

                       高桑内科クリニック S・Tさん

運動は大切であることは知っていましたが、改めて思い知らされました。適度な運動をやろうと思いました。食事に関してもともすると簡単に過ごしてしまいそうです。1日30品目の材料を活かした食事摂取を頭において頑張って食べようと思います。
                       下呂温泉病院 K・Mさん

今日は高桑先生のお話を聴いてすごく勉強になりました。運動がこんなに透析にプラスだとは思いませんでした。透析のない日は、午前中は仕事をしていますが、帰ってからはテレビのお友達で横になっています。身体を休めないと、と思って横になっていましたが身体を動かした方がいいのですね。私も透析歴13年になりますので骨・動脈硬化などいろいろ出てくるときなので、頑張りたいと思います。今日はありがとうございました。

                       久美愛厚生病院 N・Jさん

普段より院長やスタッフにより、ご指導いただいている内容とほぼ同じないようでしたが、改めて復讐ができ、大変有用な内容でした。ありがとうございました。現在の私の日課は、家庭菜園、盆栽、それに生きがい作りとしての高山市シルバー人材センターでおもてなし案内人を月に2~3回、ポスティング約400部を月に1~2回やっております。これからはそれらに加えて、日頃先生から奨められているノルディックウォーキングにも挑戦したいと思っております。今年で透析導入20年になります。腰痛、動脈硬化等も進んでまいりましたが、今後とも可能な限り人生前向きに積極的な生き方をしたいと思います。

                       高桑内科クリニック S・Mさん

さすが高桑先生です。一言一言が心にドキンと伝わることばかりで、とても前向きに頑張ろうと思います。古川病院に移って4年になりますが、今でも先生の教えを糧にして頑張っています。この教えを古川病院の他の患者さん達にも伝えていきたいです。これからもいっぱい食べて、いっぱい動いて、しっかり透析することを心掛けます。
                       古川病院 O・Jさん

たいへん為になりました。ありがとうございます。運動することを心掛けます。

                       飛騨市民病院 S・Kさん

高桑先生の講演は勉強になりました。病院でクレアチニンが高いことを指摘されて気にしておりましたが、よく動いた結果で、前値は無尿患者の場合13以上を目指せと言われて、少し安心しました。食事制限も高リン、高K対策は守った上ではあるが、むしろしっかり食べて、しっかり栄養を摂りなさいと言われ安心しましたが、しっかり5時間透析以上しなさいという言葉も印象的でした。

                       県立下呂温泉病院 S・Yさん